第1章  暴力の構造
第2章  暴力は許されない
第3章  暴力の責任
第4章  さまざまな気持ちに向き合う第5章  怒りを感じてもいいんだ
第6章  話してもいいんだよ
第7章  アサーティブであること
第8章  自分自身を守る計画
第9章  自尊感情の回復
 

 


第5章

怒りを感じてもいいんだ

 

怒ってもいいけれど、
他の人をいじめてはだめなんだよ。

家の中に暴力が起きていたら、それも毎日のように繰り返されたら・・・
だんだん、心が傷ついて、自分を大切にする気持ち “自尊感情” がしぼんでしまいます。
怒りを感じるのは、当然のこと。
でも、怒りを感じたからといって、暴力をふるっていいわけじゃない。
「私には怒る権利がある」と自分に言い聞かせるのと、
怒りにかられて他人を傷つけるのとはまったく別のこと。
むしゃくしゃして、弟や妹に意地悪したり、学校で友だちをいじめたりするのは間違いだよ。
もっと違うやり方で、怒りを表現する方法を考えてみよう!

 

やってみよう!

●あなたはどういうときにカットする? 怒りがうまれる?

怒りを感じるときって、どんなときでしょう。 具体的な場面も想像してみましょう。
(例)友達から、「空気の読めないやつ!」とばかにされたとき。 
 
●怒りを感じたとき、あんたの体はどう変化するかな?
(例)初期段階・・・汗をかく  第2段階・・・どきどきする  怒りの爆発・・・声が大きくなる
●怒りを落ち着かす方法を考えてみよう
(例)深呼吸、「タイムアウト」を取って落ち着くまでその場から離れるなど。
●暴力的でなく怒りを表現させる方法を考えてみよう
(例)走ったり、踊ったり、ドラムをたたいたり、絵を描いたり、物語を書いたり、歌を作ったりするのもいいね。

 

怒りとうまくつきあう方法
怒りはとても大切な感情です。人は自分の空間や信念を侵害されたときや、自分にとって不当と思えること、好ましくないことを体験したとき、怒りを感じるのは自然なことです。問題になるのは、怒りを感じることではなく、怒りに支配された行動をとってしまう場合です。怒りを感じることを悪いことと考えるのではなく、怒りに支配されない方法を身につけましょう。

◆自分で怒りを静める方法
@ 100から1まで、ゆっくり数字を数えてみましょう。だんだん気持ちが落ち着いてきます。
A 自分が怒りを感じたとき、その時の状況や身体の反応を書き留めておいてください。そうすれば、次 に「怒り」を感じた時、制御できなくなる前に暴走を食い止めることができます。どのレベルの怒りなら相手と話し合えるのか、冷静に対応できるのか、自分の能力の限界を知っておくことが大切です。

◆「タイムアウト」
怒りを感じたとき、怒りの感情がこれ以上高まるのを避け、激情に支配されて自分でコントロールできなくなる前にその場を離れる方法です。あらかじめ相手に「ちょっと外へ行くけれど心配しないで欲しい」と伝えておくなどの一定のルールがあります。
一人になり、気分転換をはかるだけでなく、自分の気持ちと向き合い、その気持ちを相手にどう伝えるのが一番いいか考えましょう。自分の心の動きや気持ちを相手に伝えることで、コミュニケーションをよりよいものにしていけるのです。

◆怒りを表現する
心の中に抱えている怒り、混乱、不安、悲しみなどをうまく表現できないと、攻撃的になったり抑うつ的になったりすることがあります。暴力的でなく(自分を傷つけない、他のひとを傷つけない、持ち物を傷つけない)怒りを表現する方法を考えてみましょう。
自分を守るために、自分の怒りを健康的に表現することは、怒りにまかせて制御不能になるのとは、まったく異なります。

■相手に対し怒りをぶつけるのではなく、自分の怒りの理由を相手にはっきりと 述べ、最後に、「・・・という理由で、私は非常に怒りを感じています」と冷静 にはっきりという。
■怒りを認めたあと、肯定的なメッセージを自分自身にくりかえし言ってみる。

「私は怒りを感じている。だけど私は暴力的な人間ではない。」

「私は怒りを感じている。それでも私は自分や他人を傷つけない。」
「私は怒りを感じている。でも私は暴力はよいとは思わない。」
■自分の感情を書き出す。
■安心できる人に腹のたったことを話す