第1章  暴力の構造
第2章  暴力は許されない
第3章  暴力の責任
第4章  さまざまな気持ちに向き合う第5章  怒りを感じてもいいんだ
第6章  話してもいいんだよ
第7章  アサーティブであること
第8章  自分自身を守る計画
第9章  自尊感情の回復
 

 


第4章

自分のさまざまな気持ちに向き合う

 

あなたが感じている気持ちは
素直に表現していいんだ。

家庭内で虐待や暴力を目撃したり、自分が暴力を体験すると
さまざまな気持ちが湧き上がってきます。
それは、なぜでしょう・・・
怒りの後ろには、悲しみや不安などいろいろな感情がひそんでいるからです。
このような感情は、暴力を体験するとだれもが感じるものです。
あなたも、不安、怒り、失望、恐れ、罪悪感、悲しみを感じたら、
それを素直に表現していいんだよ。

 

やってみよう!

●あなたの気持ち

あなたは、家の中で起きている暴力を見てこんな気持ちになったことはないかな?

□ お父さんもお母さんも両方とも好きなのに、けんかばかりして嫌だな。
□ 家族がバラバラになったらどうしよう。
□ いつまた、お父さんが怒り出すかもしれない。こわいな。
□ どうして、いつも大声で怒鳴るんだろう。ああ、嫌だ。
□ お母さんがけがをしたらどうしよう。
□ お父さんはなぜ、あんなひどいことをするのだろう。でも、優しいところもあるし・・・
□ もっと優しくしてほしいのに、誰も私の気持ちをわかってくれない。
□ 私がいい子にしていれば、けんかは起こらないのかな・・・
□ 私だけどうしてこんな家に生まれてきたんだろう。
□ お母さんは私を守ってくれない…
□ お母さんだって悪い。

□ 私の家はみんなの家と違う。家で起きていることは誰にも言えない。
□ 友達の家は幸せそうでうらやましい。どうしてあんなに楽しそうに笑っていられるのだろう。

 

◆子どもの気持ち
子どもは、父親や母親に対する愛情があるからこそ、かえって辛い思いを味わいます。あなたは、家族が傷つけあうことを悲しんだり、自分の家で起きていることを恥ずかしいと感じたり、愛情に満ちた家庭をうらやましいと思ったことはありませんか。家庭の状況をどうにかしたいと思っても、状況が何も変わらなければ、子ども達はやり場のない怒りと無力感に支配されていきます。
引き裂かれる気持ち
暴言を吐く父親に対して、「どうしてお父さんはお母さんに、あんなひどいことばかり言うのだろう」と怒りを感じる一方で、「お父さんにもいいところもあるし、優しいところもある…」という気持ちにもなります。それは間違ったことではありません。あなたが、「お父さんのやっていることは嫌いだけれど、お父さんのことは好き」と感じるならば、その気持ちは大切にしましょう。
◆怒り
さまざまな感情の中でも、怒りはやっかいな感情です。自分の怒りを正当なものだと認め、それに適切に対処しないと自尊心が低くなっていきます。 危険で向こう見ずな行動、自暴自棄な行動(過食、拒食、リストカット、売春、麻薬、アルコールの乱用、自殺など)、これらはすべて怒りを内面に向けた例です。
自分を傷つけることなく、怒りとうまくつきあう方法を考えてみましょう。
健康的な怒りの表現方法を身に付ければ、無力感と暴力に支配されずに自分で怒りをコントロールできるようになります。